POWDER to the PEOPLE 05
バックカントリー・キャンプ・レポート
もっと新しい世界を!もっとPOWDERを!とdmkの中でも新しいチャレンジとして始まったPOWDER to the PEOPLE 。2年目となる今期のsession 1はまさに POWDER ! POWDER !! POWDER !!!ちょっと降りすぎちゃってのハプニングもありながらのキャンプのレポートはこの企画の言い出しっぺのミノルです。
「こりゃ、絶対無理だな・・・」
夜も明けきらない午前5時前、集合場所であるオグナほたかの駐車場に着いたときは正直まいった。なぜって雪が降り過ぎている。雪が降らないと大騒ぎした昨年から一転、今度は過剰なまでの降雪で、今回のBC(BackCountry )キャンプもしっかりと大雪にヒットした。本来であれば大雪は大変結構なことなのだが、ゲレンデではなく裏に入るこのキャンプにとって雪が降ると言うことはそれだけリスクが増えてしまうと言うこと。「まいったな」と思いつつとりあえず仮眠を取る。
集合時間前に起きてさらに驚いた、2時間ちょっとで積雪が 20cm くらいある。まぁ、こんな日もあるさ。気を取り直して準備をし、集合場所に。集合場所ではハイクの準備をするパーティが数組。たしかにパウダーだろうけど、ホントに楽しめるのか?と横目で見つつキャンパーの到着を待つ。全員揃ったところで、ガイドさんの紹介と本日の内容を簡単に説明する。もともとコンディションが悪い場合はゲレンデでのパウダーライディング講習をする予定だったのでその旨を伝え、リフト乗り場に向かう。
リフトからコースを見て全員のテンションが一気に上がった。ゲレンデ内なのに腰まで埋まってしまうパウダーが全面に広がっているのだ。しかも雪質はドライ。とりあえず一本滑って様子を見ることに。この一本がまたくせ者で、キャンパーは全員深いパウダーの海に飲み込まれてしまった。早速ガイドである沼野さんのチェックが入る。「セットバックしてますか?」キャンパーのほとんどはフリースタイルモデルでツイン気味、あるいはツインチップにツインセット。「じゃ、とりあえずセッティングを直しましょう。」セットバックとそれによって得られる利点を説明しつつセッティングを見直すことに。そしてベースでセッティングチェックをしているときにそれは起きた。バインディングを外していると突然轟音と共に周りが真っ白になった。反射的に驚きの声を上げながら全員その場から逃げ出し、振り向くとベースの建物の屋根に積もった雪が一斉に雪崩落ちてきているところだった。十分に離れていたので雪煙を浴びる以外に危険はなかったのだが「これがあるから、上は無理です。」ガイドの永井さんの言葉に素直に納得させられる。
セットバックしてパウダーに突っ込むと今度はみんな一転して笑顔のライディング「正直、こんなこと滑れないと思ってへこんでました。セットバックしただけでこんなに変わるんですね」そこからはガッチリパウダーを滑って普通ではなかなか練習できないパウダー特有のテクニックを理論ではなく実地で講習。「今日一日で山10日分以上のパウダーの練習が出来ましたよ(笑)。山では一番重要なのはライディングテクニックです。転ばないで安全にどんな斜面でも、どんな雪質でも滑り降りてこれることが重要なんです。パウダーで埋まっても誰も助けに来てくれないし、助けにいけない。だから滑る技術が一番重要なんです。」ライディングクリニックを担当した沼野さんも驚くほどパウダーテクニックが上達していたのは言うまでもないだろう。
遅めの昼食のあとはフル装備のバックパックを背負ってのライディング講習。フル装備のバックパックって慣れないとものすごく重いし、何より滑りにくい。バックパックに装備をつけることから始まり、正しい背負い方までガイドさんの丁寧な講習は続く。いざ滑り出すとやっぱり感覚の違いは否めない。自分自身も久しぶりのフル装備の重さを確かめつつまだまだ豊富に残っているゲレンデ脇のパウダーをいただく。いや〜、ホント朝から帰るまでずっとパウダーなんて何年ぶりだろう。ドライな雪質は完全に全員を満足させてまだ余るほどだった。
そして本日の締めは、明日の晴天&ハイクアップを期待してBCギアの講習。 BC三種の神器と呼ばれるビーコン・ゾンデ・ショベルの使い方、特にビーコントレーニングとゾンデトレーニングを重点的に行う。BCで必要になる最低限の技術と知識を知ってもらうためもっとも基本的な部分を簡単に説明し、実際に体験してもらった。今シーズンも既に何名かの方がBCで命を落としているが、そのほとんどはBC三種の神器を装備し、使えていたなら落とさなくとも済んだ命である。今回はライディングメインと言うことで簡単にお願いしたが本来はキッチリと身につけたい部分。気温がドンドン下がってきていることもあってこの日はここで日程終了。二日目の天気回復を期待して宿に戻った。
 
(左、基本的なギアの説明風景。右、ゾンデの使っての講習)
「うひょう〜!!」
朝、起きてすぐに窓を開けて思わず声が出た。雲一つない晴天。これは期待できるでしょ。と朝ご飯をいただき、準備してガイドさんの出迎えを待つ。ゲレンデについて本日の予定を打ち合わせる。結果・・・本来予定していた尾瀬はもちろんのこと、ゲレンデトップからのハイクも不可能と判断。現在は営業していないゲレンデをハイクし、貸し切りバーンでのパウダーを楽しむことになった。と言うのも風が異常に強いのだ。ゲレンデトップに向かうリフトは強風のため運転休止中、しかも風次第で本日は動かないかもとのことで、そこからさらにハイクアップするのは厳しいだろうとのことだった。「今回みなさんには、ぜひとも笑顔で帰っていただきたいので、無理はしません。今回は楽しい部分だけを味わってもらいます。とうことでよろしくお願いします」ガイドチームとの話し合いで決定。軽いハイクアップでポイントに着くと言うことでスノーシューを装備し、ハイクアップ開始。
ところがこれが思った以上に厳しいハイクとなる。前日から降り積もった雪はスノーシューを履いても腰近くまで埋まってしまい数メートル進む毎に先頭を交代しないと進めないほど。ラッセル(先頭で雪をかき道を切り開く)は全てガイドさんにお任せしたが3人交代でもかなりの重労働。しかも標高が上がるにつれて強風が体を吹き飛ばすほどに吹き付ける。道なき道を切り開きポイントに着いたと思ったがここからがまた一苦労だった。本来は滑り出せるポイントなのだが、大雪のために滑り出すことができない。ある程度の斜度のある面まで移動するのにまたラッセル・・・。
 
そしてたどり着いたのはノートラックのオープンバーン。気持ちよさそうで手頃な斜面。一人ひとりが昨日のパウダーライディングを思い出しながらその日の一本を滑る。パウダーは風に飛ばされたのかそれほど深くはないが昨日と違いノートラックの貸し切りバーンはとても気持ちが良い。歓声を上げながら一本を滑り、振り返って見上げれば自分たちだけのトラックが斜面に残っている。何となく優越感と充実感に浸っていると次のポイントへの移動があると言う。全員いそいそと次のポイントに。そしてもう一本。今回も綺麗に広がるオープンバーンで爽快感を存分に感じながらフィニッシュ。昨日の朝からはとても想像出来ないような最高のコンディションで、思い出に残る一本を滑ることが出来た。そして何よりも普段は体験できない、また練習も出来ないようなパウダーのコンディションでのライディングテクニックも身につけられたキャンプだった。どの程度上達したかは見上げる斜面に残した自分のトラックが雄弁に語っていた。
POWDER to the PEOPLE 05 の Session 1は天候によるアクシデント続きだったが、最後にはガイドのみなさんと打ち合わせしたように笑顔で家路に就くことができた。ちょっと描いていた内容とは離れてしまったけど、僕がこのキャンプで伝えかったことは、参加していただいたみなさんに伝わったと思う。初日の朝五時の絶望感を抱いていた自分がなんだがおかしくなってきて思わず笑ってしまった。
「やっぱりパウダー最高!!」
これに勝ることはたぶん・・・、ない。
 
●さらに飛びも加わった! バックカントリー・キャンプPart 2只今募集中!
http://www.dmksnowboard.com/club/050326tour-bc.htm
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