dmk祭りパート2!
Nippon Open観戦&Burton来期モデル試乗会 inアルツ磐梯
マツモトワックス星からの使者来援!
Nippon Openで復活の橋本ミッチャンが世界強豪相手に5位! ショーン・ホワイトやアンティ・アウティの美技に酔いしれる。さらには来期Burtonの試乗もあり、お馴染み爆笑バス・ツアーで盛り上がる。さらにマツモトワックス星からの使者も遥々地球の日本国アルツ磐梯までやって来て、まさに祭りだ、祭りだ、dmk祭りだー!
このヘビー級クラスの楽しいキャンプ・レポートを書くのは、もうこの人しかいない! dmkクラブの元祖レポート女王モリッペ様のお通りだ。レポート量9枚でヘビー級キャンプをお伝えするぞ。長いけど、楽しいから大丈夫。一気に読もうぜ、祭りだ、祭りだ、dmk祭りだー!!
Story: Machiko MORIHARA
Photo: Kei KATO

  
1年ぶりのカンジ先生の登場!この知らせに胸躍ったキャンパーも多かったハズ。そう今年は我らの飯田フサキがウィスラー・キャンプを開催したおかげで日本に来ない。毎年フサキさんに会うのを楽しみにしているクラブ員はたくさんいるのに、なんてことだ!
だけど今年はその代わりのキャンプを『dmk祭りパート2』として福島アルツ磐梯で開催することになった。なぜアルツか。それは今年のニッポン・オープンがこの地で開催され、dmkに関わりの深い橋本道代 (通称ミッチャン)の出場が決定しているからだ。しかも今回はカンジくんまで参加してくれることになった。
カンジくんについてちょっと説明すると『田島カンジ』は昨年まで Hammerに在籍していたライダーさん。浪人シリーズでもお馴染みの存在。去年の史上最高60名超のハウツーキャンプを開催するに当たり、直前のコーチ依頼にもかかわらず快く手伝ってくれ、初めての大型キャンプで不安と焦りを抱えたスタッフの窮地をサラッと救ってくれたばかりか、その親しみやすいキャラクターでキャンパーの女の子のみならず男の子のハートもしっかりキャッチ!dmkにとってスペシャル大事なコーチの一人。いろんな理由で今回参加できなかった人の中にも「フサキさんは来ないけどカンジくんに会いたいなー」って人、結構いたでしょ(笑)。
そんなわけで今回のdmk祭りはフサキさんはいなくとも「ミッチャンを応援するぞー!そして今年もカンジくんと滑るぞー!」という気合を胸に、雪深〜い東北福島へ25名が集結した。
さて今回のキャンプで絶対外せなかったのが貸し切りバス。去年のハウツーキャンプでこのバスの楽しさ (怖さ?)を知った人には、もうコレなしでは考えられないってくらい魅惑的な交通手段なのだ。今年はちょっと人数が少なめだったこともあり乗車地は2ヶ所。東京駅と南浦和駅。南浦和駅ではカンジくんと合流。カンジくんには時間的にかなり厳しい待ち合わせになってしまい申し訳なかったけれど、そのおかげで私とアヤ会長はカンジくんのお父さんにお会いしてしまった。お父さんは駅まで車でカンジくんを送ってきてくれたのだ。私は「お世話になってます!」と挨拶しながら、内心ちょっと…いや、かなり感動。だって尊敬する人の親に会えるってスゴイことでしょ?
南浦和で無事にみんなを乗せ終えたバスは一路磐梯へ。去年は人数の多さに、さまざまな目的地への向かい方があり、その移動を考えただけで微熱を帯びたような空気が漂う前夜だったけれど、今年はほとんどの参加者が同じバスの中にいる。なんだかそのほんのりとした暖かさが、やわらかい毛布に包まれているような不思議な気分だ。
明け方、5時頃に朝食の調達にコンビニに寄ってもらった。こんな自由なことができるのも貸し切りバスのいいところだ。ところが…、入ったコンビニの中におにぎりがない。サンドイッチもない…。売り切れだ。そうかさすがニッポン・オープン、あなどれない。こんなところにも影響が出ていやがる。しかしこんなことで貸し切りバスは負けてはいない。みんなを乗せて隣のコンビニに移動する。
次から次に夜明けのコンビニを渡り歩く「コンビニ強盗団(ムラッチョさん命名)」はまさしくその名のごとく、またもぞろぞろと 20名の大群でコンビニに侵入し、ようやく満足いく量の食料に恵まれた。
今日の宿泊先は『さぎの湯』さん。ご好意で朝早くから各自が宿泊予定の部屋に入れてもらうことができた。おかげで少し仮眠も取ることができた。
朝9時。アルツのリゾート・センター内にあるカフェテリア前に集合。ここで菅野ご一家と都所親子、そして山形から初参加のナオコちゃんと合流だ。都所さん家のコーキくんは13歳。菅野さん家のひなちゃんは8歳だ。コーキくんはサラサラな髪を少し長めに伸ばしたあっさりとした面立ちの美少年(!)で、今回その控えめな態度がお姉さんたちのハートをくすぐりまくっていたようだ。菅野さん家のひなちゃんはすでに北海道キャンプや陸トレでおなじみ。ちなみにどちらのママもかなり美人だと付け加えておきたい。
さて今年のカンジくんは去年のピンクのビーニー姿とは一味違って、全体的にモノクローム・カラーで統一。白、黒、グレーがカモフラ柄っぽくミックスされたビーニーに、ゴーグルは白フレームにクローム・カラーのミラーレンズだ。ウエアは黒一色。そしてグローブはピンク。そこは外さない。やっぱりかなりオシャレさんだ。ビーニーの下の髪の毛も去年の明るい茶髪とはがらりと変わって黒にしている。ちなみに腰には去年プレゼントしたdmk手ぬぐいを忘れずに付けてくれていた。
 
左)今日、カンジくんといっしょに滑る順番を決めるジャンケン!各チームからの代表者たち
右)向こう側には見事な景色、猪苗代湖。イケイケチームのみんな
クラス分けは3つ。またもアヤ会長のかなり怪しいセンスで勝手に名前が付けられている。
ビシバシチーム マスミ隊長、リュウ補佐官
イケイケチーム ケイ隊長、モリッペ補佐官
オドロキチーム トオル隊長、サコ補佐官
ビシバシって何だ?熱血体育教師みたいだ。イケイケはよくても、オドロキって…。という声にならないみんなの感想があったと思うが、まぁアヤ会長の変な名前付けはdmkではすでに定番だ。去年なんかミノル部長のクラスを捕まえて『フリフリ合コンチーム』と名付けていた。本気で心配になって「これって、なんですか…?」と遠慮がちに質問してきたキャンパーさんは1人や2人じゃないぞ。
一応、今回ビシバシには「容赦なくビシバシ鍛えてOK」、イケイケには「意外とやるぞ。なめちゃイケナイ」、オドロキには「オドロキの新ワザ登場の可能性アリ」とかそういう意味合いはあるらしい。
チームは、ジャンケンで決めた順番でそれぞれカンジくんといっしょに滑ることができる。今回はバートンの来期モデルの試乗会もあるから、それに行きたい気もするしそのつど流動的に動かないと時間配分が難しい。
私が補佐を勤めるイケイケチームは午後一番でカンジくんと合流することになった。それまで、まずは軽く流す意味で長めのクワッドリフトを1〜2本、そのあとパークに行きたいという希望からゲレンデを移動してみた。アルツは久しぶりだったが、山が広い。ニッポン・オープンのせいで確実に人出は多く、リフト待ちも発生しているが、上がってしまえば1ゲレンデに対する人口密度はかなりまばらだ。雪質も軽く、林の中には豊富にパウダーが残っていて、ロープ制限もそれほど厳しくないので、思わず林の中に入って行ってしまう。1度入ってしまうと楽しいから、2本目はもっと深くまで行ってしまう。そんな感じでパークを目の前にしながらついつい4本も林の中に入ってしまった。
お昼はゲレンデの中腹にあるレストハウス『プリム・ローズ』でとった。メニューがおもしろく 360セット540セット720セットとあって、内容は360セットで山盛りのフライドポテトと、チョリソーや玉ねぎなどをみじん切りにしてトマトソースで絡めた具をスライスしたフランスパンに挟んだバーガーが付く。それが基本となって540はスープかフライドチキン、720はそれらが全部付くといった具合だ。お値段はセットの名前と同じ額。スープにもペンネのようなパスタが入っていたり、パンのサイズは8歳のひなちゃんの顔が隠れてしまう大きさで、全体のボリュームはかなりある。540でも女の子にはちょっと多過ぎるといった感じだった。
午後、私たちのイケイケチームはカンジくんを独占して、まずはパークへ。自分たちだけではビビっていたパークもカンジくんが「奥のキッカーなら飛びやすいですよ」などと言ってくれると、急に飛べる気になってチャレンジしてみた。カンジくんは手前の大きなキッカーを飛んでいたが、アプローチがゆっくりなのにきちんと回せているのが印象的だった。うーん、きちんと回すということは勢いだけが大事ではないのだな。
そのあとは1本だけハーフ・パイプに入り、クロス・コースがあるというゲレンデに移動した。
クロス・コースは、先日のBXキャンプで利用したさのさかEXPANDクロス・コースに比べると、かなりおとなしいものだった。なだらかなウェーブがひたすら続いているだけで、結局これも1本で終了。そのあとはなんとなくトゥリー・ランへ行きたいという話がまとまり、慣れていない人でも危なくないようにカンジくんがゆっくりエスコートして3本ほど林の中を堪能した。雪も十分ついていたのでとても楽しかったのだが、やはり数人でまとまって入ってしまうと周囲の目を引く。3本目を降りたところでパトロールの人に注意されてしまった。リフト券の裏に赤いペンでチェックを入れられる。ちょっぴり気持ちの底がこすれる。
難しい問題だがスノーボーダーが林の中に入りたがるには、理由がある。整備されたゲレンデではどうしても味わえない、抗いがたい魅力があるからだ。悪いことをしている自分というのに酔って「リフト下」と聞けばどこでも入ってしまうような頭の悪いやつらもいるが、林の中に入る大半の者の理由はそういうことではない。確かに本当にその先に崖があったり、雪崩の危険がある箇所もあって、立ち入り禁止にしている区域もあると思うが、林の中(人工的に整備していない部分)というだけで危険と言われてしまっては、少々辛い部分もある。リフトを使って上がっているからとか、一般的なルールはとか、言い出したらお互いの立場で切りがないこの根の深い問題をこの場で取り上げる気はないが、日本の大部分のゲレンデはもう少しこの問題を多角的に考える必要があって、いつかはこんなトラブルが減ったらいいなぁと思う。
時間的にも次のチームとの交替となり、カンジくんとはレストハウスの前でお別れした。「それじゃ次はバートンの試乗会に行こう」と話しがまとまりセンター前のゲレンデまで戻ると、残念ながら貸し出しの時間は終了してしまっていた。そこで、せっかくだからとニッポン・オープンの男子パーク・スタイルの決勝を観に行こう!と会場に向ったら、今度はそこへ向うリフトの上にいるうちに「風が強いために決勝は中止になりました」と場内アナウンスに言われて、ガックリしてしまった。それでもショーン・ホワイトがサービス・ラン的に1本飛んでくれたのが、リフトの上から小さくだったが見ることができた。
話は少し逸れてしまうが、帰りの集合で表彰台の近くにいて女子パーク・スタイルの表彰式を観ることができた。表彰式には恒例のシャンパン・セレモニーで、あたりにシャンパンの華やかな香りが立ち込める。私にとって初めて生で観る表彰式だったが、このシャンパンの香りとともに流れる凱旋ムードがとても印象的でカッコよかった。TVで観る表彰式では当たり前だが、シャンパンの香りは嗅げない。そのことに気づかずに、知っていたのはシャンパンが飛び散る映像だけだ。もしかしたら他愛ないことなのかもしれないけれど、あの派手な映像よりも本当はこの香りが勝者を祝う意味で大事なのかもしれない。知らなかった世界を一つ知った気がして、晴れやかに微笑む受賞者たちを遠くに眺めながらわずかな時間感慨に浸ってしまった。
宿に帰るとさっそく温泉だ。さぎの湯さんは源泉の温度が48度の天然温泉でかけ流しだ。ゆるゆると静かにお湯が注ぎ込んでいる湯船に浸かると、入った時こそ少し熱めに感じるが入ってしまえばその湯加減は絶妙で、熱くもなく、ぬるくもない。丸い肌触りのお湯はじわっと柔らかく身体を包む。温泉といってもどことなく塩素の匂いがするような温泉が最近にわかに増えてきたが、久しぶりに子供の頃に入ったような昔ながらの温泉らしい温泉だ。
夕食のあとはお楽しみの宴会に突入!今回はカンジくんが頑張ってハザック CCCのプロテクターを協賛として持ってきてくれた。手首とヒップのプロテクターだ。ヒップは今までもdmkのキャンプでプレゼントとして提供されたことはあるが、手首はdmkでは今シーズンからのニューフェイス。まだ持っていない人もたくさんいる。どうやって使うのかもわからない人もいるので、袋から出して一人ひとり実際に着けてみたりしてから、ジャンケンでの争奪戦となった。
 
左)こちらが本番(!?)宴会のスタートだー!みんなで乾杯っ!!
右)
初参加でヒップ・プロテクターをゲットし、大喜びのナッチャン
こうしていつも通りの和やかな宴会となったが、しかし今回はキャンプ開始の当初から、珍客が来るとの噂がささやかれている。いつもの年なら浪人ライダーだが、今年は…?
そういえば今朝、アルツのカフェテリアにも現れた黄色いマスクの男がいた。彼の名はマツモト・レンジャー。地球から遠く離れているらしいマツモト・ワックス星から迷えるワックス初心者を救いに、また面倒くさがり屋のぐーたら・ボーダーを救いに、愛と勇気と使命をその熱き胸にこの地上に降り立った正義のワックス戦士だ。彼は彼の救いを求めるすべての人々のもとに昼夜を問わず駆けつける。そのマツモト・レンジャーが今夜この宿に現れるというのか!?
和やかな宴会場の照明が突然消えた。これはマツモト・レンジャーが現れる前兆に違いない。「キャー!助けてー!マツモト・レンジャ〜!!」という女の子の叫びがあがる。すると廊下を隔てる磨りガラスの引き戸に黄色いシルエットが現れた。なおも助けを求める女の子の声。その声に応えるようにスルリと引き戸を引きあけて登場したのは黄色いファイティング・スーツに身を包んだマツモト・レンジャーその人だった。みんなの歓迎に片手を挙げて応えるマツモト・レンジャー。だがマツモト・レンジャーはその任務の特殊性ゆえ一切の言葉を話さない。そこでクラブの中でもなかなかのエンターティナーで知られているリュウさんがその通訳に当たることになった。いろいろな質問が繰り出されるうちにマツモト・レンジャーが実は一人ではないことが判明した。イエローの他にレッド、ブルー、グリーン、ホワイトがいるらしい。「レッド、ブルー、グリーン、…ホワイト?」首を傾げるみんなに対し、それがワックスの色と呼応していることをゼスチャーで示すマツモト・レンジャー。「おおおー…」感心したみんなからどよめきにも似た声が上がる。「それじゃ、黄色は一番暖かいじゃないですか?」とレンジャーのスーツの色を指摘するリュウさんに、自分の胸を指差すレンジャー。そうかハートが温かいというのだ。
 
左)ガラスの向こうに黄色い影・・・、何者かが現れた!
右)遂に噂の新ヒーロー、マツモト・レンジャー 登場だ〜!
そのマツモト・レンジャーから今夜はプレゼントがあった。浪人3でも紹介している丸い筒に60cmくらいの板を載せてバランスを取る練習ができる筒と板のセットだ。全員分はないのでほしい人だけレンジャーとのジャンケンで勝負した。
レンジャーは身体を張っていろいろなパフォーマンスとともにサービスしてくれたが、そのレンジャーのファイティング・スーツにいつしかうっすらと汗がにじんできた。残念だがそろそろマツモト・レンジャーの地上にいられる限界の時間が来てしまったようだ。みんなの「ありがとう!マツモト・レンジャー!」の声に送られ、レンジャーは疲れた身体を引きずりながら宴会場の廊下に派手につまずいてから消えていった。
しつこいようだがdmk祭りの宴会はこれでは終わらない。実は宴会の途中で私とアヤ会長とリュウさんで悪巧みをし、『みんなへのプレゼント』と称してカンジくんとムラッチョさんの板を宴会場に持ってきてしまおうと計画していた。そうして当惑する2人を見て笑って、「冗談でーす」と終わりにしようと思っていたのだ。「カンジくんに悪いんじゃないの?」と少し動揺を見せるリュウさんの背中を押し切り、宴会場に板を持ち込んだ。「実はこれも今回のプレゼントでーす」の声に、予想通り「えー!なんだよそれ!?」「ビックリしたー」と驚くムラッチョさんとカンジくん。ところがカンジくんは「この板はダメだけど、家にある別のだったらいいですよ」と言う。戸惑ったのはこっちだった。「この板は中古だし、新しいのが家にあるんで…。僕は乗ってないから出してもいいですよ。そっかー、持ってくれば良かったですねー…」と逆にちょっぴり申し訳なさそうにしている。カンジくんごめん!決して申し訳なくなんて思わなくていいんです!
 
左)マツモトレンジャーからバランス・マシーンの筒と板のプレゼント
右)カンジくんの板の争奪戦で見事に勝ち抜いたリュウさんがその喜びでボードを高々く上げる
ともかくノリにしろ何にしろカンジくんがいいと言うんだからもらってしまおう、ということでここでまたもや熱い熱い争奪戦。最終的にこの最高の幸運を手にしたのはなんと悪巧み一味のリュウさんになった。もともとBX畑のリュウさんは遊べるこの板が本当にほしかったらしく、かなり恐縮しながらも興奮気味に喜びをかみしめていた。
このあとも会場の一角では変身前のマツモト・レンジャーではと噂されているワックス・マスター・マスミさんによる『アイロンがなくても良く滑るワックス講習会』が開催され、普段あまり板の手入れをしないぐーたらなボーダーへ救いの手を差し伸べ、別の一角ではコーキくんとカンジくんがレンジャーがプレゼントしていった筒を横一列にずらっと並べて板で乗りこなす遊びをしていたり、それぞれに楽しい時間を過ごした。
2日目。今日はニッポン・オープンのスーパー・パイプ・ファイナルの日。 10時からの女子の決勝には橋本ミッチャンが残っている。なんとなく焦る気持ちから、宿からのバスは8時15分に発車。チェックアウトのために荷物の移動があったりでバタバタと支度をして、ドタドタとバスに乗り込みアルツへ向かう。「あ、ゴーグル忘れた」「あれ?ケータイどこだっけ?」慌しかった支度のせいで2、3人が忘れ物をしている。でもそのためにバスを戻すわけにはいかない。ま、仕方ない、とあきらめているところにアヤ会長の携帯が鳴った。次の瞬間「え!マスミさん!?忘れちゃった!?」アヤ会長の素っ頓狂な叫び声がバスの中に鳴り響いた。見回すとバスの中にマスミさんの姿がないのである。当然全員乗っていると思って、誰も確認しなかったために、あのマスミさんを宿に忘れてきてしまったのだ。嗚呼、昨日あんなに頑張ってくれたマスミさんを忘れてくるなんて…。これはさすがにUターンだ!宿が近づくと、宿の前の雪道にイジケて座り込んでいるマスミさんの青いウエアが見えてきた。「マスミさーん!ごめんねー!!」みんなに拍手で迎えられたマスミさんだった。
10時からのニッポン・オープン女子スーパー・パイプ決勝は、みんなで応援することになった。ジャム・セッション形式なので選手たちは45分間に入れるだけ入る。12人中日本人選手が9人も残っている。外国人選手もハンナ・テーター、ケリー・クラークなど一度は見てみたいと思っていた、ここ数年ノリにノッてる女の子たちだ。個人的にはケリー・クラークに注目していたけれど、ハンナの900は完璧で、トーラ・ブライトのマック・ツイストのカッコ良さは本当に惚れ惚れするほどクールで、見ていて気持ちがいい。日本勢は予予選からの勝ち上がり組みがかなり強気な滑りをみせ、ベテラン勢を押す勢いだった。我らがミッちゃんも大健闘。あとで知った結果は5位入賞だった。
観戦はミッチャンの応援だけのつもりだったのに、女子を観てしまったら、もう男子を観ずにはいられなかった。女子でこの高さとこの技なら男子はいったいどうなってしまうのだ。男子にはショーン・ホワイトを始め、アンディ・フィンチ、アンティ・アウティなどやはりここ数年、オープン・シリーズ、Xゲームなど名のある大会を荒らしまくっている強豪が顔を揃えている。
そして果たすかなやはり男子は凄かった。 720゜は当たり前1080゜がバンバン出る。高さも長さももの凄い。素人の目しか持っていない私にはもう何回転回しているのかわからない。しかしその中でも群を抜いていたのがアンティ・アウティ。回す回す。勢いが凄い。何だかわからないけどすっごく回した!と思ったら「1260!」ってDJのライオくんが叫ぶ。え?なに?5回転ってこと?1260が360で割っていくつなのかバカな頭で必死に計算する。しかも完璧にメイクしている。ウソ?事前に仕込んできた予備知識でアンティがルックス的にもいい男なのをチェック済み。うーん、やられた(笑)。
だがもう一人凄かったのがショーン・ホワイト。なにしろどんなことをやってもビタビタに決めてくるその着地の安定感は完全に他を抜いていた。パイプの壁に板がピタッと吸い付く。やっぱりベテランの強みなのだろうか。
しかしそれにしてもみんな体力がある。これだけの勢いでメイクしながら後半になればなるほどヒート・アップしてくる。 45分がもの凄く短い。前のライダーがパイプを抜けるのと同時に次のライダーが「待ちきれない」とばかりにスタートしてくる。
前のライダーがベースにいる観客の前を通り過ぎるまで眺めていると、次のライダーがすでにドロップインしているので、うっかりすると見逃してしまうほどのハイ・ペース。最後、競技時間の45分が終わった後にもまだ数本のサービス・ランを見せてくれたライダーが何人もいた。正直、女子の後半には疲れが見えたが、男子ってやっぱり凄いんだなと思った。
 
左)ジュニア・ジャムに出場するヒナの勇姿。ピースサインでやる気満々
右)いつも心温かい気さくなミッチャンとハッピー記念撮影
誰が優勝したのか結果が知りたかったが、表彰式は3時半。私たちはもう宿へのバスに乗っていなければいけない時間だ。男子のファイナル観戦は、私はパイプ・サイドで観戦していたが、一部のキャンパーは橋本ミッチャンといっしょにベースの方で観戦していたらしい。さっきまでファイナルで勇姿を見せてくれていたミッチャンと男子のファイナルを観戦できるなんて…。ミッチャンの気さくな心遣いが嬉しいエピソードだ。ちなみにこの大会の入賞結果とカンジくんがプロの目で詳しくレポートしてくれた記事がdmkのwebサイトに2月28日付のニュースとして (http://www.dmksnowboard.com/news/200502.php)に掲載されているので、興味のある人はこちらを見ていただきたい。
今回2日目からほんのちょっとだけ顔をみせてくれたミノル部長と、ここでお別れの都所さん親子とバスの中で閉会式をした。ちなみに菅野家のひなちゃんはジュニア・ジャムに出場していたため、みんなとのお別れの挨拶は朝の時点で済ませた形だった。
帰りのバスの発車前に今度は誰も忘れないようにしっかり確認する。すると…やっぱり一人忘れている。しかし今度はマスミさんではなく、初参加のヤマヒロくんだ。危ない、危ない。慌ててリュウさんが探しに行って、今度こそ忘れ人なく宿に帰ることができた。
ありがたいことにさぎの湯さんでは帰りの温泉も使わせてくれた。西日が差し込む眩しいほどの湯船に観戦で冷えてしまった身体を温めた。キラキラと輝く湯船の中でさっきまでのファイナルの余韻がゆっくり溶け出して、どことなく勇気をもらえたような気分で風呂を出た。
そして、いざ帰りのバスこと移動宴会号へ!朝の食料調達同様、今度はお酒の調達のために運転手さんにお願いしてコンビニに寄ってもらう。それぞれ確保した自分のアルコールを手に、サロン形式に並べられたバスの後部座席に納まった。ここからの宴会の楽しさは本当に格別。この楽しさは実際に体験してみないと、いくら文章で書いても伝わらない。カンジくんがこのキャンプに参加してくれるのは、半分にはこの宴会バスがあるからとも聞くくらいだ。
書いても伝わらない楽しさだが、それでもその一部を紹介すると、今回のターゲットは概ね初参加のイッシー。その攻撃の中心はオヤジ哲学。そして同じく初参加のヤマヒロくんのあだ名がdmkに初の米名『デューク』に決定。さらにリュウさんの圧倒的な威力を持ったちょっぴりわびしい恋心テーマの爆笑トークにはほぼすべてのメンバーが撃沈され、最後にはコーチであるカンジくんまでも年季の入ったお姉さん軍団に容赦なくやっつけられて、フラフラになるという始末だった。
楽しかったけれど南浦和の駅にはあっという間に着いてしまった。このキャンプはニッポン・オープンの観戦を含め初めての企画だったから、スタッフ側にはそれなりの苦労があったと思う。それでもフサキさんがいないのにここまで濃いキャンプができたのはある意味凄い。まぁ考えてみれば、毎年この時期の日本でひどい花粉症に悩まされるフサキさんにとって、今年のこの異常な量の花粉が舞う日本に帰ってこなかったのは、偶然にしろ正解かもしれない。帰ってきたらたぶん即死だったろう。
しかし終わってみればずいぶん流動的なキャンプだった。こんなに流動的に動いて、それでもどうにかまとまって終わることができたのは、すべてみんなの協力と、周りの環境に恵まれたからに他ならない。残念ながら私はバートンの試乗をついに1本できなかったが、今回もバートンの下枝さんに一方ならずお世話になった。またバスの運転手さんと、さぎの湯の方たちにもお礼を言わなくてはならない。そして最後に橋本ミッチャンと田島カンジくん!楽しいキャンプにしてくれて本当にありがとう!!
来年、このキャンプはどんな形になるか分からないけれど、とりあえず今回も成功のうちに数えていいと思う。
シーズンはまだ折り返したばかり。dmkはまだまだキャンプがある。この調子で後半のキャンプに期待したい。
レポーター:森原真知子(愛称:モリッペ)
dmkクラブの創立当時からのレポーターで現在、クラブ専属レポート部長。元々はミナミ・スポーツのフサキのスノーボード・キャンプに来ていたキャンパーだったが、その執筆力やレポート力を買われて元祖dmkレポート担当になる。ちなみにその頃、モリッペはバンドのレポートを書いていた。意外な事実(!?)
当時は、A4サイズの紙レポート時代でそのコピーや宛名書きなど多大なワークを背負っていた。現在は和やかに(?)レポート担当を行っていて、dmkレポート陣の中でもリーダー的な存在となっている。
dmkクラブではムラッチョ顧問やアヤ会長と共に、古株さん。
|
 |
恒例ケイ・カメラマンのキャンプ・フォトのページは以下になります。
http://www.yukinchu.com/dmk/2005alts/
|