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クラブ
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加藤高正 HALFPIPE CAMP
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ビデオ・クリニック中のコジロー・チーム |
宴会場に2台のテレビを持ち込み高正班、コジロー班に分かれて、それぞれクリニックが始まった。自分の姿が映り始めた。1ターン、2ターン…。思っていたよりもはるかに姿勢が高い。しかもなんか…カッコ悪い??いままでだってフリー・ランのビデオでもカッコ良かったことなんてないけど、パイプも思っていた以上にダメダメだ。せめてもう少しはマトモに滑っているかと思ったのに…。「後傾だね」映像を見ていた高正くんがひと言言う。たしかに後ろ足に体重が乗りすぎだ。後ろ足の膝が曲がっている割に前足が伸びてしまっている。それがパイプに中で異常にカッコ悪く見える。おまけにリップにのぼると壁に添うように身体を起こしているのがよく分かる。それがパイプの中に体が残せていないと言われる姿勢なのだ。高正くんには「板の真ん中に乗れていない後傾のクセというのはパイプの中だけでは直せないから、フリー・ランの中で直していくしかないね」と気の遠くなるようなことを言われる。おまけに「ボトムでは後傾なくせにリップで起きるんだよなー、このわがまま娘!(笑)」。はぁ〜、すみません、出直します。
ちなみにビデオ・クリニックでひたすら褒められたのがミモちゃんのママ、ミモマことタカコ姉さん。リップ近くまで行くとどうしても自分で板をターンをさせて、ボトムに戻ってきてしまうのが傍で見ていても惜しいところだが「これでリップで止めちゃわなければ、オレの滑り方と同じだよ」と高正くんの極上褒め言葉をいただいていた。
しかし何度も何度も自分の滑る姿を見ていると自分の悪い癖というのが嫌なほど脳裏にインプットされる。まぁ直す部分が分かるというのは言ってみればいいことで、何をすればいいか解らないよりはずっといい。そう思ったら気分が軽くなった。明日もがんばろう。
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総勢8名のコーチたち |
2日目。キャンプはここからが本番、今日からはなんと60名のキャンプになる。上林のレギュラーパイプを貸切りで、コーチも高正くん、コジローくんのほかにセッキー(Minami)、天辰くん(SP-DESIGN)、ジブ担当のヨシットくん(Broccoli)、そしてきのうはひたすらビデオ撮りに専念してくれたみっちゃんとジュンヤくん、それにエイジくんの総勢8名だ。さらにはSnowBoarder誌の中嶋さんも取材に来てくれている。
いつも通りそこここに知った顔が見えるレストハウスで、さっそく受け付けの開始。今回は60名という人数の多さにお昼の注文を受付の時点で取るという新しい方法を取り入れた。その副産物としてメニュー人気ランキング分かる。結果は坦々麺とネギトロ丼が人気を二分する形となった。
ずっと心配している雨は降るどころか、青い空に太陽が光っている。パイプの方はきのうに比べると壁の角度も立っているし、高さも高い。ボックスはオーリーしないでも乗れる超安全ボックスに設定しなおされ、アクリル板の表面は太陽を照り返している。
そんな中でノリのいいBGMを流しながら高正くんがキャンパーをプッシュするような威勢のいい挨拶をして、いよいよキャンプ開始だ。

今年は60名のキャンパーがパイプを占領した!
1〜2本チェックを入れた後は、調子よく飛ばし始めるキャンパーも出てきた。何しろ天気がいいのが気持ちのテンションを上げてくれる。
私はといえばとにかく今日は打倒後傾!「板の真ん中はどこー!」と今さらながらに確認作業・・・。フサキ先生に知られたら笑われそうなテーマを胸にひたすら真ん中探してドロップインを繰り返す。下まで降りて声を掛けてくれたコーチには誰彼構わず「今、後傾してました?」と訊きまくり、順番待ちの間には軽くジャンプして着地を繰り返して板の中心を確かめる。フリー・ランの中でしか直せないと言われた後傾だが、2日間しかないキャンプでそんな悠長なことを言っている暇はない。少しでもクセを減らすために頑張った。しかしパイプキャンプ3年目にしてなぜ今頃このテーマなのだ。エアー・ターンの未来は遠い。
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ボックスも熱い!いや暑い・・・か? |
パイプ下のボックスではジブ担当のヨシットくんがボックス講習を始めている。ヨシットくんは去年もコーチとして来てくれていたが、1年ぶりに会ったら見違えるほど貫禄がついていた。去年よりも少し痩せた感じがするが、伸ばした髪が良く似合っている。もともと澄んだような瞳をしていたが、その瞳と長い髪があいまって不思議な魅力があった。思わず友達に「あれヨシットくんだよね?」と確認を入れる。友達からも「そうだね。雰囲気違うよね」との答えが返ってきた。うーん、年頃の男の子の成長ってのもあなどれない。
午後になってみんなの勢いはますます上がってきた。エアー・ターンを始める人も続々と出現し始めた。私としては板の真ん中探しのパイプも飽きてきた頃、タイミングよくヨシットくんが「ボックスにも来てくださいよー」と誘ってくれたので行くことにした。ボックスはエッジを使えない分姿勢を低く保つのが難しい。「ヒザでエッジを押す感じ」と言われるがヒザに体重を乗せることができずにどうしても頭とお尻を突き出したカッコ悪いバランスになってしまう。「板の縦の線上に乗って」と言われるが、確かに理屈ではわかる。理屈ではわかるけど・・・。難しいよねー。
自分がうまくいかないのを棚に上げヨシットくんに「カッコいいとこみせてくださいよー」とせがんだら、雪均し用のトンボの柄を雪面に突き立てて、そのトンボの上を擦るという荒業にチャレンジしてくれた。トンボの柄というのはちょうど人の肩の高さ程度の長さがある。アプローチの斜面に立ってから「あれ??結構高いよね?」と自信なさげな確認を入れつつ、結局は見事に決めてくれた。「コーチの面目保てたかなー?」って?いやいや、十分すぎるくらい保ってるでしょ。
プログラム的には午後の3時半までパイプに入りっきりなんだから、時間はたくさんあるように感じるけれど、実際はいくらあっても足りない気がする。それでも昨日よりはいくらか進歩したような気分をつかんでとりあえず2日目終了!
宿に戻って、今日のお風呂は外湯に行った。渋温泉では旅館の人に言うと外湯共通の鍵を貸してくれる。それを使って街の中に点在する全部で9つの外湯巡りができるのだ。洗い場のない小ぶりな風呂がほとんどのようだけれど、気分的にはとってもリフレシュされる。例の細い通りを風呂を目指してぶらぶら歩くと、浴衣に下駄履き、タオル片手の人たちと幾人もすれ違う。下駄の音がカラコロ響くそののんびりしたムードがまたいい。ボードに来たはずなのになんだかずいぶん得したような気分だ。
夕食の後には今年も宴会が用意された。高正くんたちが用意してくれたお酒とおつまみで乾杯し、各テーブルを回ってくれるコーチたちとひとしきりおしゃべりした後、プレゼント大会となった。

協賛はScooter、November、Flux、vonzipper、DEELUXE、SP-DESIGN、ULS42D、Type-f、マツモトワックス、ARBN、BRIKO、GRAIL、SPINY、RONIN、Snowboarderなど盛りだくさん。そして今年もFLUXからはバインディング、ScooterとNovemberからはそれぞれボードなど豪華なプレゼントがたくさんあった。コーチたちの私物プレゼントも盛り上がる。天辰くんは昼間とは人が変わったように盛り上げ上手なところをみせてくれる。「王子」という愛称を持つほどスッキリとしたきれいな顔立ちをしているのに、このギャップ。ここまでいけばもう才能だなーと思う。
3日目の朝は、なんとなく嫌な音に障子を開けると外はとうとう雨だった。ゲレンデでの雨。テンション的にはかなり落ちるけれどキャンプではそう言ってもいられない。BGMに昨日とは違う緩やかなソウルナンバーがかかっている。それが浅い雨を気分のいいものに変えてくれた。高正くんの朝の挨拶も早々に早速パイプに飛び込む。一度滑り出してしまえば雨も案外気にならない。それよりはガスの方が気になったが、それも壁が見えないほど濃いわけではないから、まぁコーチに見てもらえる部分が減るってくらいが難点で、滑りには影響はなかった。
地道な努力の甲斐あってか、私もだいぶ後傾のクセが直ってきていた。が、だからと言って新しく次のことを意識すると途端に元に戻る。だが今日はコーチのみっちゃんがずいぶん丁寧に面倒を見てくれた。そのみっちゃんの指示で一度スタンスを変えてみることにした。板からバインディングを外したところで「今回なんか試乗してみた?」と訊かれる。実は今回のキャンプではスペシャル試乗会として昨年日本を代表するカリスマボーダーGOCCIが立ち上げ、ライダーに石原崇裕を擁する話題のCALMANOが1日目に、そして高正くん、コジローくんのScooterの06/07NEW MODEL、Fluxの06/07NEW MODELバインディングがキャンプ期間中を通してなど、試乗もかなり豊富に揃っているのだ。ちなみにこれはめったにないと思うがゴーグルのvonzipperも06/07NEW MODELを見るだけでなく、実際に試着して滑ることができる。こんなところも高正キャンプのいいところでもある。
しかし、みっちゃんには、ただでさえうまく滑れないのに生意気に試乗なんかする自信がないと答えた。それを聞いてそっかーと言いつつ、「でも履いて滑ってみなきゃ、いいか悪いかわからんやろ?」とみっちゃんの柔らかい関西弁に乗せられ、結局Scooterのツインチップを試乗してみることにした。普段152cmの板から148cmだったので、滑り出しは幾分板の短さが気になったが、パイプに入ってみるとさすがツインチップ。「お!」と思うほどあきらかにきれいな反発が返ってくる。この柔らかいきれいな感触は相当気持ちいい。これでパイプの中に身体を残すことさえできれば、間違いなくエアー・ターンが切れるだろうとの予感があったが、そこは残念だけどやっぱり道具じゃなくて実力の問題。ギリギリのところで、抜けないんだなーこれが…。セッキーに「リップまで行けてることはいいことだと思うけど、そのままリップ削り続けてもエアー・ターンはできないまま終わるよ」ときつい一言を言われる。うーん、分かってはいるけど、今はまだ一つひとつしかできないんだよねー。本当にパイプは次から次へやることが出てきて大変だけど、それでもなんか気持ちよくて、よくわからないけど楽しくて、やっぱり好きだなーって思う。
気がつけばそろそろ3日目も終了に近づいていた。雨はいつの間にか本降りの雪へと変わっている。去年より何か進歩したかと言えば、たぶん進歩はしているはず。「それじゃーダメ」と言われても必ず乗り上げてしまうバックサイドも、それは間違いなく板がリップまで届いているから起こることで自分なりには進歩だと思う。フロントサイドをのぼった時にグーフィーの私には向こう側を通っているリフトと、その先の景色が見えるのだということも今年初めて実感した。直さなければいけないことが見えているのはいいことで、今年果たせなかったエアー・ターンの目標は来年必ず叶えてやろうと思う。
ガスが出ていたせいもあるのか今年は一人ずつ滑る結果発表の最終ランは行なわなかった。だけどやっぱりけじめはつけたい。みんな自分なりに今回の成果を出すつもりの最終ランを終えた。
左)本降りになった雪の中、それぞれの最終ランを終える
右)今回のキャンプを振り返り挨拶するコーチたち
なんとなくやり残したような気分を誰もが持ちながら、コーチたちの閉会の挨拶を聞いた。今年のニッポンオープンで9位という輝かしい成績を残したコジローくんが、だけどいつも通りに「帰るまでが遠足です!」と飾らない挨拶をしてくれた。最後にはボトムの中でみんなで記念撮影をした。SnowBoarder誌の中嶋さんがシャッターを切ってくれる。「チーズ!」の代わりの掛け声は昨日の宴会で天辰くんがジャンケンに使っていた「最初はウィー!」。なんだかこのひと言で笑顔になれる、このノリがこのキャンプのすべてを物語りそうだ。
dmkの中でも春キャンプに位置づけられる熱いキャンプの一つがこれで終了した。毎年確実にレベルアップしていくキャンパーがこれからどんな風に成長していくのかは楽しみなところだ。しかしクラブとしてはここで感傷に浸ってはいられない。まだまだ雪はたくさんあるし、dmkでは春キャンプとしてもう一つ、おそらくは熱さの面ではパイプキャンプと1、2を争う通称コブ・キャンプが控えている。コブを制するものはフリー・ランを制する!フリー・ランを制するものはハーフパイプも・・・!とどこかの誰かが言って・・・・・・、ないか(笑)。ともかく次のキャンプで、また一人でも多くのみんなの元気な顔に会えればと思う。
●さらなる写真は、ケイくんがこんなにたくさん撮っているよ。思い出にぜひプリントアウトしてね!
http://www.yukinchu.com/dmk/05-06/20060310hp/