NISSAN X-TRAIL NIPPON OPEN 2003
16歳ショーン・ホワイトが制す!
Story: Akihiko Matsuzawa
Photo: Naomi Takahashi
ニッポン・オープン公式サイト
http://www.nipponopen-snowboarding.com/
ショーン・ホワイト。スノーボードをやっている者であれば、この名を知らないものはいないのではないだろうか?
幼少の頃から注目され、そしてどこまでも成長し続ける若干16歳のショーン。
今回の来日で様々な取材や大会をこなしていく中で、今回のニッポンオープンには、ある特別な思いを抱いて挑んでいた。そう、それは・・・。
3月1日(土) Super Halfpipe Semi Final & Exhibition Big Air
ニッポンオープンは去年同様、新潟県塩沢町の石打丸山スキー場で開催された。実は事前情報なしで撮影に行ってしまい、誰が出場するのか全くわからず。メディア失格!ってことで、会場にて早速情報収集。どうやら昨日で女子はファイナル出場が決定し、今日は男子のみのセミファイナルらしい。フムフムなるほど。メディアパスをちらつかせながらスーパーハーフパイプへ。と、そのとき!回る回る、縦回転の連続! いきなりライオだ!そして、さらに吉野満彦、笠原啓二郎、石原崇裕、と続く。さらにさらに、FISワールドカップ常連のギオーム・モリセット、御存じダニエル・フランク、そして、ショーン・ホワイト!ビデオなどで小さな少年がヘルメットを被ってスケートのランプに入り、高いエアーを決めていたシーンが印象に残っていたが、 意外と背が高いんだなと感じた。それでもまだ16歳だというのに渋ささえ感じるゆったりとしたF9などは強烈に印象に残った。その他にはやはり吉野満彦のトゥイークの高さは凄い。ダニエル・フランクは安定した高さのあるルーティーンでファイナルへ。ギャラリーを終始湧かしていたライオは残念ながらファイナル進出ならず。残念。実は今シーズンパイプに入るのは5日目らしいという情報も・・・。
セミファイナルは1位ショーン・ホワイト、2位ダニエル・フランク、3位吉野満彦という結果に終わった。凄いメンバーが残った明日のファイナルは、いったいどんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか!
 
(写真左、日本が誇る百獣の王ライオ。右、タックニーばりのメソッドを決めたショーン)
そして今日はまだ終わらない。お昼過ぎにはなんとスーパーHP隣に作られたどでかいキッカーでBIG AIRが行われるのだ! なんて盛り沢山なイベントなんだ。昨年の春にウィスラーで行われたTELUS SnowBoard World Chanpionship
も凄かったが、このニッポンオープンも素晴らしく観客を楽しませてくれるイベントだ。
いよいよ練習開始。撮影のベストポジションを探しあちこち歩き回っていると、エントリーライダー紹介でなにやら聞き覚えのある名が。
「ビブナンバースリー!ルーブ・ゴールドバーグ!」えっ!?まさか、あのルーブ!?確かにルーブは撮影のために来日していた。フサキさんにもルーブはニッポンオープンにでるかもしれないって言っていた。でも会場でまったく見かけなかったのでかなりビックリ。一週間前にルーブに久しぶりに会う機会があったのだが、その時はニッポンオープンのことなんて一言も言ってなかったし。とにかく声を掛けたかったので、撮影を中断してスタート台に駆け付けてしまった。その時交わした会話。
ぼく 「ヘイ!ルーブ!ゲンキ?」
ルーブ「ゲンキダヨ!イッシュウカンマエ アッタヨネ?ゲンキ?」
ぼく 「アッタ、アッタ。ココニ キテルナンテ シラナカッタヨ」
ルーブ「ココニスンデルノ?」
ぼく 「スンデナイヨ。アト フツカ ハ タイザイスルケドネ」
ルーブ「センシュウノ テンジンダイラ ハ スゴカッタヨ!パウダー フカフカ ダッタ!」
ぼく 「スゴイジャン!トニカク ガンバッテ!」
ルーブ「アリガトウ!」
注:もちろん会話は英語で行われました。しかし僕は英語苦手です。なもんで、訳は適当です。
(写真右、日本初登場でパイプをバックにビッグ・エアーを決めたルーブ・ゴールドバーグ)
と、まあもっと会話したかったのだけれど、スタートのコールが掛かってしまったのでルーブの健闘を祈りつつスタート台を後にしたのでした。
そして一発勝負の予選スタート。泣いても笑っても予選は一本しか飛べません。上位12名が次のファイナルに進めます。ファイナルは2本飛んで良い方で競い合い、上位3名がスーパーファイナルへ。
ルーブの予選はBSコーク7を完璧に決めて予選6位通過!注目のショーン・ホワイトはFS7をなんとランディング失敗!ショーンはそのまま下山してしまった。あくまで翌日に控えているSHPファイナルに備えてなのか、疲れていたのか、 ギャラリーのため息はひとしおでした。
予選を見事トップ通過したのはbtmのモヒカンライダー土橋信吾。彼のモヒカンはかなりインパクトあります。他に注目はギオーム・モリセット。彼はなにかやってくれそうである。
ファイナル1本目、ルーブはまたまた完璧にBSコーク7をランディング。なんとここで、その他全員がランディング失敗、ルーブが1本目終了時点で、 なんとトップに!僕はこの時、夢を見ました。このままルーブがトップでスーパーファイナルに進出し、表彰台なんてことになったら・・、僕はルーブをメインで起用したビデオ『浪人』のエディターってことでインタビューとかされるのでは!?・・とか。想像は膨らむばかり。そんな僕をよそに2本目はみんなランディングを決めてきてルーブは5位となってしまったのでした。
しかし、2本目は果敢にCab9に挑戦するなど、このニッポンオープンという舞台で見事に5位入賞。日本のみなさんに名前を覚えてもらえたのでは!?
スーパーファイナルへ駒を進めたのは渡辺義文、萩原昌明、ギオーム・モリセットの3人。渡辺義文はFS9が決まらず。萩原昌明は1本目にCab7を決める。そしてギオームはなんと初めてトライしたというアンダーフリップ?という技を完璧に決めて優勝賞金10,000ドルを獲得したのでありました!
惜しくも表彰台に届かなかった我らがルーブはといいますと、その夜のバートンパーティーでかなり上機嫌で飲みまくってたらしい・・・。
BIG AIR RESULT
1 Guillame Morisset
2 Masaaki Hagiwara
3 Yoshifumi Watanabe
4 Yoshinari Uemura
5 Rube Goldberg
6 Sani Albabic
3月2日(日) Super Halfpipe Final & Exhibition Kid's Halfpipe Session
3月2日の朝はなんと大雨が降っていたのです!?
かなりの豪雨。山にあがる頃には雨は上がっていたのですが、パイプのコンディションは良くないだろうなと思いつつ、大会会場のスーパーパイプへ。
リフト乗り場には大きな水たまりが・・・。「こんなんじゃパイプは・・・」という僕の心配をよそに雨の中を大会スタッフ達が最高のスーパーパイプに仕上げていたのです!さあ、いよいよNISSAN X-TRAIL NIPPON OPEN Super Halfpipe
Finalの始まりです!
まずは女子のファイナルから。ジャッジは男女共にジャム方式。まず目に飛び込んできたのは吉川由里の今までとは違う一発目にマックツイストを持ってくる積極的なルーティーン。順位も日本人最高位の6位。そして、なんといってもソルトレイクオリンピック銀メダリストのドリアン・ビダールである。バックサイドのトゥイーク、アーリーウープ、トゥフェイキーとすべて高さのあるエアーで圧倒的な勝利をものにしていきました。
観客のボルテージも全開になり、いよいよ男子ファイナル!前日までの予選、セミファイナルを勝ち上がってきた12名のライダー達によるジャムセッション。とにかく凄い!高い!トリプルは当たり前の世界!日本人のエアーの高さは圧巻。今大会4位に入った石原崇裕。今大会最も高かったバックサイドのトゥイークを見せた吉野満彦。上から下までロデオとアッパーデッキのみのルーティーンで会場を最も湧かせた笠原啓二郎。
とにかく凄い!しかし、そんな彼等も外国人招待選手3人に惜しくも屈してしまった。ギオーム・モリセット、ダニエル・フランク、そしてショーン・ホワイトである。ギオームは上から下まですべてをスイッチのルーティーンで回りまくり、「それじゃスイッチじゃないじゃん!?」と思い、ダニエルは滞空時間の長いアーリーウープにハーカン9と終始安定感のある高いエアーを決めてきた。そして、この大会を制したのは若干16歳のモンスター、ショーン・ホワイトである。ゆったりとしたフロント900、アーリーチャック等、バラエティーに富んだルーティーンでNIPPON OPENの優勝をものにしたのだった。
スーパーファイナル終了後に行われたのがキッズたちのジャムセッション。
5〜12歳くらいの子供達が参加したのだが、これにはもうまいったの一言。
会場は感嘆の声が絶えまなく響いていた。ダブルまで飛んでくる子もいれば、マック、ロデオはあたりまえに回してくる。さらにいままで誰もみたこともない技を披露した子までいたのだ!? そして、このキッズセッションの審査員の中には8月に大怪我をし、手術をしたミッチャンの姿があった。首には生々しい手術痕が残っていたが、なんとミッチャッンはキッズたちにまじって、パイプに入ったのだ!約一年ぶりに見たミッチャンはまったく怪我のことを感じさせないハイ・エアーを連発してました。かなり一安心。そんなこんなで、日本のキッズのレベルの高さをこの目で見た僕は「オッシャー!スノーボードがんばるぞー!」という気持ちの反面、「やっぱ、プロ目指さなくてよかったぁ」とも思ったのでした。
 
(写真、大人顔負けのパフォーマンスで会場を盛り上げてくれたキッズ・ライダー)
NIPPON OPENの表彰式で最後に名を呼ばれ、表彰台の真ん中に立ったショーン・ホワイト。その手に掲げられたボードには手書きでこう書いてあった。
『ボクはジェフが大好きです』
ショーン自ら、誰かに日本語を教わりながら書いたらしい。ジェフとは一週間前に日本のスキー場で急逝したジェフ・アンダーソン(バートン)のことである。ジェフの死により多くの招待選手が帰国してしまった中、ショーンは日本に残りジェフのために大会に出場したのだ。ファイナル前の午前9時にジェフ追悼ランが石打丸山スキー場で行われた。どうやら世界同時で行われたらしい。そのときショーンは号泣した。そして、表彰式のインタビューでこう答えた。
「大会で優勝できて嬉しい。ジェフの魂にこの優勝を捧げます」

Men
1 Shaun White (USA)
2 Daniel Frank (NOR)
3 Guillam Morisset (CAN)
4 Takahiro Ishihara (JPN)
5 Keijiro Kasahara (JPN)
6 Marco Schwab (SUI) |
Women
1 Doriane VIdal (FRA)
2 Fabienne Reuteler (SUI)
3 Lisa Hegertun Wiik (NOR)
4 Kjersti Oestgaard Buaas (NOR)
5 Stine Brun Kjeldaas (NOR)
6 Yuri Yoshikawa (JPN) |
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